論証」とは、ある考えについて、その考えが成り立つ根拠を挙げて説明…

論証」とは、ある考えについて、その考えが成り立つ根拠を挙げて説明すること、という意味です。例えば、「みんなが持っている(根拠)から、私もスマホがほしい(考え)」という文も、一つの論証だと言えます。しかし、考えの根拠が挙げられているからといって、必ずしもその論証に説得力があるとは限りません。この「論証する力」がないと、お互いが自分の主張をぶつけあうばかりで、議論になかなか決着がつかない「水掛け論」に陥ってしまうことがあります。感情的に意見をぶつけあい、声が大きい人の意見がなんとなく通ってしまう・・・・・・というのは大人の世界でも残念ながらままあることです。また、予測不可能とも言われるこれからの時代には、自分の体験だけで判断するのではなく、遠い過去の事例や、異なる地域で起きた出来事から推論しなければならない機会も多くなるでしょう。その論証が信頼できるのかどうか、みなさんが自分の頭で考える力が必要です。そう考えると、「論証する力」は、現代を生きる私たちにとって欠かすことのできない力とも言えそうです。前述の「みんなが持っているから、私もスマホがほしい」の文章の論証の説得力を確認する方法は、大きく二つあります。一つは、「みんなが持っている」という根拠の正確さを確認することです。二つ目は、「みんながスマホを持っているからといって、なぜあなたに必要なのか」という根拠と主張の論理性を確かめることです。この「論理国語」の講座では、文章を読んで筆者の論理を確認しながら主張を追いかけたり、時にはあなたの考えをまとめて筆者に反論したりすることもあります。反論するときには、根拠の正確性や、根拠と主張の論理性を確認するといいですね。そうした活動を通して「論証する力」を高めていきましょう。論証する力」を適切に用いるためには、「事実」と「考え」を見分ける必要があります。なぜなら、正しさが確定している「事実」は論証しなくても議論を進められますが、憶測や独断に陥ってしまう可能性がある「考え」は、論証を確認する必要があるからです。では、「事実」と「考え」の違いを確認しましょう。

異なる事実から結論を導き出せるようになること。従って、過去と未来の出来事がどのように相互に関連しているのかについて理論を構築し、確立された理論に基づいてそれらの関連を説明できるようにする必要がある。これは証拠を集めることでしかできない。しかし、現在の知識基盤社会では、推論を導き出し、既存の理論と矛盾しない理論を打ち出すことは非常に難しい。つまり、二つの事実の間につながりがある可能性が高いとしても、例えば、電話番号が書かれた古い携帯電話があって、そこに電話をかけることができたとして、新しい携帯電話があり、その携帯電話には向こう側にいる誰かに関係する番号が書かれていたとしても、古い携帯電話が新しい携帯電話につながる可能性を見いだすことは極めて難しい。つまり、2つの事実の間に極めて強い結びつきの可能性があったとしても、それでもなお、正解の理論を導き出すことができないのである。これを不可能な状況と呼ぶ。しかし、これからの知識基盤社会では、情報をもとに、集まったデータから推論を導き出し、もっともらしい理論を導き出すことができるようになる。だからこそ、理性であれ感情であれ、論証する力が必要なのである。

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