論証が説得力を持つためには、「根拠の適切さ」と「導出の適切さ」を…

論証が説得力を持つためには、「根拠の適切さ」と「導出の適切さ」を確認する必要があります。導出とは、根拠から論理的に結論を導き出すこと、という意味です。例えば、クラスメイトから「おはよう。」と挨拶されたことを根拠に、「この人は私のことを好きなのだ。」と結論を導出するのは、果たして論理的と言えるでしょうか?仮に「おはよう。」と挨拶されたという根拠が事実であっても、挨拶から特別な好意を導き出せるとは限らないので、この論証は導出が不適切です。根拠と導出の適切さを判断する際のポイントは、根拠が事実であるかどうかと、根拠から考えが論理的に導けるかどうかを、それぞれ別々に判断することです。

3.6.2.3. 人の意図からの議論 ある作家は、人の意図が有効な議論をするための基本的な考慮事項であると言う。しかし、これは私たちが意図するという意味ではない。意図とは、その人が何を意図しているかについての判断である。そして、人の意図を判断することは、人の意図が真実であると判断することとは全く異なる。しかし、その人が何かを意図していたと主張するためには、その意図が何であるかについての知識がなければならない。これを直接推論という。直接推論には、意図に関する知識の推論が必要である。知識の推論は、何かをするつもりのない人がそれをするつもりがあったかどうかを判断するのに使うことができる。これを間接的推論という。間接的推論には、その人の意図についての知識が必要である。人の意図を判断することは、その人が何を意図しているかを知ることである。そして、人がその意図について持ちうる知識には2種類ある。ひとつは、ある行為やその時点に存在する状態についての知識である。もう1つは、その時点には存在しない行為や状態に関する知識である。例えば、明日ハンバーガーを食べようと思っていれば、その人は明日ハンバーガーを食べるつもりだと推測できる。しかし、もしその人が明日ハンバーガーを食べるつもりがないのであれば、「明日ハンバーガーを食べるつもりだ」と推論することができる。

Photo by Georgia Highlands College

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