論証が説得力を持つためには、「根拠の適切さ」と「導出の適切さ」を確認する必要があります。導出とは、根拠から論理的に結論を導き出すこと、という意味です。例えば、クラスメイトから「おはよう。」と挨拶されたことを根拠に、「この人は私のことを好きなのだ。」と結論を導出するのは、果たして論理的と言えるでしょうか?仮に「おはよう。」と挨拶されたという根拠が事実であっても、挨拶から特別な好意を導き出せるとは限らないので、この論証は導出が不適切です。根拠と導出の適切さを判断する際のポイントは、根拠が事実であるかどうかと、根拠から考えが論理的に導けるかどうかを、それぞれ別々に判断することです。
2最初のタイプの議論は挑戦である。挑戦とは、聞き手の注意を、論旨の欠陥や矛盾に向けさせるための議論である。挑戦は、聞き手に 「もしあなたがこれを信じるなら、あなたはそれを信じてはならない 」と考えさせるように設計されている。このタイプの議論の目的は、聞き手の注意を議論の欠陥から引き離すことである。 4.2第二のタイプの議論は、権威へのアピールである。権威への訴えとは、聞き手の理性や常識に訴えかけるための議論である。権威への訴えは、聞き手にとって真実は自明であり、聞き手は議論に興味がなく、したがって考える必要がないと主張します。権威への訴えは、聞き手に 「これを信じるなら、あなたは議論に興味がない 」と思わせるように設計されている。 4.3第三のタイプの議論はアサーションである。アサーションとは、話し手の立場が正しいことを聞き手に納得させるための議論である。アサーションは、話し手が正しいことを聞き手に納得させるためのものではない。このタイプの議論の目的は、話し手の立場が正しいことを聞き手に納得させることであり、聞き手は議論に興味がない。 4.4第四のタイプの議論は、ディスジャンクションである。ディスジャンクションとは、以下のような論法である。