「では、はじめ」教師の掛け声とともにシャーペンの音が教室に響き始める。昨日から始まった期末テストは無事二日目を迎え、残す教科はあと9つ。正直終わりは見えないが、出された問題を解くことでしか救いは訪れないと早々と悟り、不本意ながらもこの物話の主人公である紗尾りゅうとはシャーペンを手に問題にとりかかっている。今までのテストで30点を超えたことがない彼は、先日ついに親にゲーム機を取り上げられ、今まで感じたことのない喪失感を味わった。彼の中で、ゲーム機という存在がどれほど大きなものになっていたかを痛感したのである。テストで60点を取るまで、ゲーム機は親の懐にしまわれることになった。しかし、紗尾はそんなことでへこたれるような男ではない。愛する者のためなら、命だって平気で差し出せる熱い男なのだ。彼は親の部屋に侵入し、ゲーム機を救出する作戦にでた。何とも命知らずなことである。母親が出かけたスキを見計らい、あたかも忍者のような素早い身のこなしで部屋に侵入し、そこに偶然居合わせた父親にあっさりと捕まった。何とまぬけなことであろうか。そこから昨日まではひたすらに仲間と勉強に勤しみ、鍛錬に勤しみ、時折休憩がてら様々なボードゲームに勤しんだ。そして紗尾は気づいた。ボードゲームがいかに奥深い遊戯なのかを。
コンソールを見つけるために。ディスクがないことに気づいた。シャープペンシルではディスクを取り出すことはできない。彼はすぐに鉛筆を手に取り、問題に取りかかった。そして翌日、彼は100点を獲得した。佐尾流斗はゲーム機を取っておいて両親に返すことにした。しかし、帰宅途中に警察に捕まり、逮捕された。逮捕された後、両親は彼が好きなものへの情熱を失っていないことを知り、安心することができた。警察はコンソールを見つけることができ、その結果、自分たちを救ってくれた男に単純な罰以上のものを与えることができたのだ。窃盗の罪で有罪判決を受けたサオは、名誉挽回のチャンスを与えられた。試験に合格するチャンスだ。試験内容は、教育を受けたこともなく、試験科目に関する知識もほとんどない人たちによって書かれたため、簡単すぎるものになっていた。試験に合格すれば、佐尾龍斗は進学のための奨学金を受け取ることができる。満点を取れば、首都にあるアカデミーに通うことができるのだ。佐尾はずっと大学に行きたいと思っていた。しかし、両親はいつも、就職したほうがいいと言ってきた。彼は一家の大黒柱である。