僕は、小学六年生のある日まで、黒人差別とは無塩で関係のないことだと思い生活していました。しかし、NBAというアメリカのバスケットボールリーグの試合をよく見るようになり、その生活は変わりました。NBAには黒人の選手が全体の７割程度いたためです。
2003年8月20日、ロサンゼルス・レイカーズでトップ10〜25の選手だった黒人男性リチャード・ギアが、ミルウォーキー・バックスでトップ10〜25の選手だった黒人男性O.J.メイヨーに射殺された。警察によると、リチャード・ギアは女性をめぐってメイヨと口論になったという。50歳のギアは3児の父で、アフリカ系アメリカ人選手協会の元代表だった。 人種差別は、残念ながらアメリカではそれほど珍しいことではないからだ。しかし、予想外だったのは、黒人が黒人を殺したことだった。私はすぐに、なぜリチャード・ギアが黒人に殺されたのかと考えた。彼が撃たれるに値しなかったわけではない。彼はマリファナ所持で逮捕されたばかりで、スポーツラジオ局のオーナーだったため、その逮捕歴は公になっていた。 最初、私はやってはいけないことをした。逮捕された人間が彼を殺すなんて、と腹が立った。逮捕されたばかりの男になぜ怒らなければならないのか知りたかった。でも、すぐに怒りの理由が間違っていることに気づいた。私の怒りは逮捕された男に向けられたものではなかった。私自身の反応に腹を立てていたのだ。私はゲームの「ルール」に従わなかった黒人男性に腹を立てていたのだ。 まず思ったのは、ギアが逮捕されなかったことだった。しかし、私は詳細を知らなかったので、法律が何を言っているのかわからなかった