僕の行きたい場所は
あなたが言う 「真実の瞬間 」というのはよくわかる。少なくとも、私の気持ちはわかる。でも、正直なところ、もっとよく見えていたとしても、リスクを冒すことを選ぶだろうとも感じる。 そのリスクを取る価値があるとは思えない。そんなことをしなくても、もっと幸せで満足した人生を送れると思う。 何とも言えないね。後悔するくらいなら、安全な方がいい。 そして、それを見てみたい。 * ふと見ると、杖をついた老人がとても疲れているように見えた。まだ動けるといいんだけど。彼の目が見えるといいな。まだ目が輝いていることを願う。 もう明かりはなく、空気はとても濃い。でも、私には老人が見える。老人の目が見える。 「どうした、老人?」 「散歩に行くんだ」 「散歩? 「美しい景色が見える場所を探して、田舎を散歩するんだ。それから、滞在していたあの町に行ってみるんだ。きれいな景色が見えるといいな」。 「私は田舎を散歩したり、景色を探したりするような人間ではないよ、老人。私はあなたと一緒にここにいるのだから、私の助けに感謝しなさい」 「そんなことはない。あなたの助けは必要ない。私は景色を探しに行く。そして、あなたを置いていくつもりです」。 「なるほど。でも、あの町はどう?見てみたい?」 「あの町には行かないよ