「ただいまエジプト北部で人間爆弾が爆発しました！専門家の見解ではテセプ教宗徒の犯行であると思われ──」最近のニュースは見ているだけで熱くなるなぁとのんきに麦茶を飲みほした。アラビア系の新興宗教テセプの過激なテロ行為は常軌を逸していて、中でも人間の体を爆弾に改造して使う人間爆弾は間違いなく人類の負の遺産だろう。人間生身爆弾検知にも反応せず、哀れにも時限爆弾を招き入れたワシントンのショッピングモールの残骸は悲惨なものだった。これを皮切りに世界各国でテロが発生している。「ももか！学校遅れるわよ」お母さんの怒号がきこえてきて、いそいそ学校に行く支度をした。正直お母さんのが怖いしテロもうちには正直関係ないし、、、ともってたのになぁ「迫田さん！迫田桃花さん！そ、それ人間爆弾です！爆発止めてください！意識を失っている今がチャンスです」「無茶云わないでくださいよ！赤と青どっち切ればいいんですか」「どっちも変わりませんよ！どっちも血管なんだから」「血管！？私にこれを殺せっていうんですか」「それはもう爆弾です！この学校の生徒の命と爆弾一つなら生徒を保護すべきです」どうしたらいいの
赤は切らない方がいい」と桃香は言っていたが、私には理解できなかった。私は桃香の死を予感して恐ろしくなったが、桃香の命を救いたいという気持ちもあった。”なぜこんなことを言わなければならないかというと、今日は忙しいだろうからです。私に任せておけば、あなたを助けることはできない。あなたが困っていても、私はあなたの面倒を見ることができない” 桃香がそう言うと、私はうなずいた。母に心配をかけたくないし、見殺しにしたくなかったので、母には言わなかった。しかし、人間爆弾のことは言えなかった。桃香、待たせて悪いけど、悪い知らせがあるんだ。また学校に遅刻しそうだから、言えないんだ。” 私は母のことが心配でたまらなかったが、それでも心配しないようにと母に付き添った。「今から言うけれど、もし人間爆弾を爆発させたければ、その瞬間にモールに誰もいないことを確認しなければならない。持っていることを誰にも知られてはいけない」。桃香がそう言うと、私はもう一度うなずいた。爆弾を作るなら、学校に持っていって、先生に渡して。きっと使ってくれるわ。何か問題があったら、すぐに私に言って。私はとても動揺したが、彼女にそんな暗いところへ行ってほしくなかった。もし桃香が死んでしまったら、私は桃香の記憶を失い、桃香のようになってしまう。人間爆弾のことは言わなかった。