現代の医療技術の進歩や治療薬などは目覚ましい発展を遂げている状況だが、今後薬剤耐性菌が増え、薬の効かない時代に突入した場合はどのような行動や対処をすべきか。また、薬剤耐性菌が増え死者が1000万人となり、がん患者を超えると言われている中で、どのように生活をするか。
というのも、抗生物質に耐性を持つ微生物が増えつつあるという、明確な傾向がすでに世界で見られるからである。この傾向は多くの要因に直接関係している。例えば、農業における抗生物質の過剰使用によって、汚染された食品や水を通して細菌が蔓延し、抗生物質が微生物を死滅させ、その結果、細菌が抗生物質に耐性を持つようになった。非常に多くのケースで、養豚家などの動物に抗生物質が使用されていることが、私たちの食べ物や水に見られる耐性菌の増加につながっているのである。 抗生物質が過剰に使用される理由は、感染症や病気を治療できる薬剤の数が非常に限られているからである。これらの抗生物質が人間にとって有益であることは分かっているが、場合によっては有害になることもある。さらに問題なのは、細菌が抗生物質に耐性を持つ場合、新しい抗生物質を開発しても効かないということである。つまり、抗生物質を使っても無駄になってしまうのだ。 抗生物質耐性の増加に対抗する方法は、細菌に有効な新薬を見つけることであり、その薬が動物に使用されないようにすることである。この点で、次のことが非常に重要である。