なぜ母語以外は母語のレベルまで到達できないのだろうか。

なぜ母語以外は母語のレベルまで到達できないのだろうか。まず、私は母語と母語以外を学習する環境が全く違うことが大きな理由だと考える。母語を学ぶ環境は、学習者を取り巻くものすべてが母語でできている。24時間、日常生活のすべてを母語で行う。インプットのすべてが母語であり、そのインプットの量も大量である。加えて、ネイティブスピーカーの両親といつでもコミュニケーションを取ることができる。言葉を使ったとき、もし間違っていたら、すぐに両親からフィードバックを貰うことができ、インプットからアウトプットまでの距離がとても近い。一方で、母語以外を学ぶ場合は、多くの場合、日常生活すべてをその言語で行うことは不可能である。そのため、その言語に触れる時間は限られており、インプットの量も少ない。また、その言語を使ったコミュニケーションを取ることは難しく、スピーキングのアウトプットは実施する機会が少なくなる。自分からアウトプットを積極的に行わなければ言語習得のプロセスを進められない。次に、母語が母語以外の言語に影響を与えることがある。母語にない表現や概念を表すときや、母語にはあるがその言語にない表現を表すときはミスが起こりやすい。

なぜなら、ほとんどのネイティブ・スピーカーは、自分が使っている言語の話者を理解できるからである。 このことは言語学習にどのような影響を与えるのだろうか。イマージョン環境では、学習者は母国語のインプットを違った形で経験することになる。インプットが制限され、アウトプットが小さいため、間違いに対するフィードバックを得る方法がなく、インプットとアウトプットの違いから、学習者は成功しても成功できないように感じてしまうのだ。学習者が第二外国語を学ぼうとした場合、その言語のインプットとアウトプットを同じ量にすることはできないだろう。 例えば、フィンランド語を学ぶとしよう。インプットはその言語に限られ、アウトプットはその言語の話者に限られるだろう。日本語を学んでいる人は、第二外国語を学んでいる人よりもはるかに少ないインプットしか得られないだろう。フィンランド語は誰もが理解できるため、フィードバックを得る方法がない。ですから、フィンランド語を学んでいる生徒は、フィンランド語のインプットとアウトプットを理解するのに苦労することになります。そこで良い教師の出番となる。教師は日本語を学ぶのに十分なフィードバックを生徒に与えることができるし、フィンランド語を話す人はどこにでもいるので、フィードバックの量はフィンランド語ほど制限されない(少なくともフィードバックは多くない)だろう

Photo by unipavia

この作品の出来はいかがでしたでしょうか。ご判定を投票いただくと幸いです。
 
- 投票結果 -
よい
わるい
お気軽にコメント残して頂ければ、うれしいです。