家に戻り、装備を解き、ガロファーノは考えに耽っていた。

家に戻り、装備を解き、ガロファーノは考えに耽っていた。自然と触れ合うならキャンプとか、シンプルに散歩だろうか……。処方された薬を早速飲んだ後で、副作用の気だるさが襲う中、ガロファーノは簡単な後者を選んだ。林の中でヨモギ摘みでもして過ごせば、多少は心が安らぐだろうと出かけていった。しかし、その時。「አንድ ሰው ይረዳኛል!」遠くから女の悲鳴が聞こえてきた。全く何言ってるか分からないはずなのに何言ってるか分かる悲鳴が。即座に悲鳴の方向へ走り出すガロファーノ。街角を曲がり、人々が避けて通っていく一角を見れば、一人の女が数人の男に連れ去られそうになっていた。「何やってるんだ!?」男達の一人がギロリとガロファーノを睨み、がなった。「此女借金肩代!無関係者立去!」「ああもうその借金俺が肩代わりするから!一旦待て!」金を受け取った男達が去ると、女がガロファーノに何度も頭を下げる。「አመሰግናለሁ!በጣም አመሰግናለሁ!ጀግና!」女の放つ異国語は、それが\"聞き過ぎた\"単語であろう事を考えなくても、意味が分かった。「いや、困ってるみたいだったから、でも今回だけだぞ。次は助けない。それじゃ」立ち去ろうとするガロファーノの手を取り、女は自宅を指した。「እባኮትን ለማመስገን መጥተው ምሳ ይበሉ። ምንም ትልቅ ነገር ማዘጋጀት አልችልም, ግን …」これもなんとなく何を言っているのかガロファーノには分かった。しかし、それ以降は文章が複雑化してひょっとすると会話が成立しなくなるかもしれない事も想像出来た。「お礼はいいよ、今一人になりたい気分だったんだ」ばっさりと断り、ガロファーノはさっさと林へ向かっていった。

-ちょっと待って!」 ガロファノはしばらく男たちを見つめていたが、走り去り、近くの店に隠れた。その間に、悲鳴をあげた男は他の男たちに引きずられていった。 数日後、ある朝ガロファノが目を覚ますと、ベッドに男の手があった。その時、犬の鳴き声が聞こえた気がした。それは他の男たちに誘拐された男だった。ガロファノは最初、自分を誘拐した男たちは自分とは違う世界から来たのだと思ったが、それは自分の世界だった。彼は今、自分の世界の労働や仕事をさせられているのだ。引きずられていった男は、寝言で叫んでいた男と同じだった。 ガロファノは数時間倉庫に連れて行かれ、それから家に連れて帰られた。彼は働く必要があると言われた。自由になるか、強制的に働かされるかの選択肢が与えられた。ガロファノは強制労働を選んだ。この選択をするのは難しいと警告されていた。また、倉庫で雇われていた男たちがやっていた仕事を強制的にやらされることにもなる。これがガロファノが選ばれた理由のひとつだった。引きずり出された男は、誰も望んでいない仕事を引き受けたのだ。もしガロファノが解放されていなかったら、彼は殺されていただろう。 ガロファノは今、殴られ、拷問されながら働かされていた。虐待は暴力的なだけではなかった。それは彼の感覚をも巻き込んでいた

Photo by duncan cumming

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