オリハルコン(古代ギリシャ語:ὀρείχαλκος、oreikhalkos、オレイカル…

オリハルコン(古代ギリシャ語: ὀρείχαλκος、oreikhalkos、オレイカルコス、古典ラテン語:orichalcum オリカルクム)は、古代ギリシア・ローマ世界の文献に登場する、銅系の合金と考えられる金属である。最も有名な例としてプラトンが『クリティアス』の中で記述した、アトランティスに存在したという幻の金属が挙げられる。古代ギリシア時代の文献でこの言葉が指す意味は多用ではあるが、真鍮や青銅などの銅系の合金を意味すると思われる状況が多く、帝政ローマ期以降は考古学的にも明確に真鍮を指す。

目次
概要
「オリハルコン」はギリシア語の単数対格形 ὀρείχαλκον (oreichalkon) に由来する。orihalcon, orichalcon などと綴られることもあるが、これは「オリハルコン」が登場する日本製のゲームが国外へ輸出された際に生まれた新しい綴りである。

語源は、オロス(ὄρος, oros;山)のカルコス(χαλκός, khalkos;銅)。『ホメーロス風讃歌』や、ヘーシオドスの『ヘラクレスの盾』などの詩に初めて登場するが、これらの作品では真鍮(黄銅、銅と亜鉛の合金)、青銅(銅と錫の合金)、赤銅(銅と金の合金)、天然に産出する黄銅鉱(銅と鉄の混合硫化物)や、あるいは銅そのものと解釈・翻訳されている[1]。ラテン語では、オリカルクム(orichalcum)。アウリカルクム(aurichalcum;金の銅)とも呼ばれる。

一方でプラトンの『クリティアス』では、オレイカルコスは今では名前のみが伝わっている幻の金属として登場しており、そのために様々な解釈と想像を生んだ。

少なくともーマ帝政期以降の文献では、アウリカルクムが「真鍮」を意味するようになったことは確実で、セステルティウスやデュポンディウスなどの真鍮製銀貨の原料として言及されるようになる[2]。現代ギリシア語のオリハルコス(ορείχαλκος , oreichalkos)やイタリア語のオリカルコ(oricalco)は「真鍮」を意味する。

古典文献への登場
初期
ヘシオドスが書いたと伝えられている詩『ヘラクレスの盾』の断片の中で、英雄ヘラクレスが「ヘーパイストスからの見事な贈り物である、輝けるオレイカルコス製の脛当てを装着した」という一節がある(Hes.Scht.122)。これがオレイカルコスという単語の初出と考えられている。

ホメロスが書いたと伝えられている『ホメロス賛歌』の第6章、アプロディーテーへの賛歌の中で、女神アプロディテは「両耳よりオレイカルコスと尊き金で出来た装飾品を下げている」と謳われている(h.Hom.6.9)。『ホメロス賛歌』は複数の詩人によって時代をおいて作られた34編の詩の集合体であるが、こちらの方が『ヘラクレスの盾』よりも古いとする説もある。

プラトンのクリティアス
プラトンがアトランティス伝説を含む『ティマイオス』と『クリティアス』を書いたのは晩年の紀元前360年前後と推測されており、『クリティアス』の作中4箇所5度オレイカルコスという単語が登場する。


(アトランティス島ではありとあらゆる必需品が産出し、)今では名前を残すのみだが、当時は名前以上の存在であったものが、島のいたるところで採掘することができた。即ちオレイカルコスで、その頃知られていた金属の中では、金を除けば最も価値のあるものであった。(114e)



(アトランティス島の)一番外側の環状帯を囲んでいる城壁は、まるで塗りつぶしたかのように銅(カルコス)で覆われており、城壁の内側は錫で、アクロポリスを直接取り囲む城壁は炎のように輝くオレイカルコスで覆われていた。(116b–116c)



(ポセイドーンの神殿の)外側は銀で覆われていたが、尖塔は別で、金で覆われていた。一方内側は、天井は総て象牙が被されており、金、銀、及びオレイカルコスで飾られていた。そして残りの壁と柱と床はオレイカルコスが敷き詰められていた。(116d)



(アトランティスを支配する10人の王たちは)ポセイドンの戒律に従っていたが、その法は、初代の王たちによってオレイカルコスの柱に刻まれた記録として伝えられており、その柱は島の中央のポセイドンの神殿に安置されていた。(119c–119d)


このようにプラトンのアトランティス伝説におけるオリハルコンは、武器としては使われておらず、硬さ・丈夫さよりも、希少価値が謳われている。オリハルコンは、真鍮(黄銅)・青銅・赤銅などの銅系合金、黄銅鉱や青銅鉱などの天然の鉱石、あるいは銅そのものと解釈する説が最有力であるが、鉄、琥珀、石英、ダイヤモンド、白金、フレスコ画用の顔料、アルミニウム、絹など、種々の解釈がある。またアトランティス伝説と同様に架空の存在とする説も多い[3]。

なお『クリティアス』の原文中に、カルコス(χαλκός)という単語が登場するが、この単語は真鍮・青銅などの広い意味での「銅」系合金をも含む。そのため、装飾品としてのカルコスに対しては、錆びやすい銅ではなく「真鍮」「青銅」などの訳語を当てはめることが多い。

オリハルカムのラテン語は鉱石(ギリシャ語の鉱石、ラテン語の鉱石)+カルシウム(ラテン語のchalcium)から派生した鉱石である。

鉱石の概要

オリハルカムとは、古代ギリシャの文献に登場する銅を主成分とする合金ですが、「幻の」金属として象徴的な意味を持つようになったのはローマ時代に入ってからのことです。オリカルクムという言葉は、鉱石(ギリシャ語の鉱石、ラテン語の鉱石)+カルシウム(ラテン語のchalcium)に由来しています。もともとは銅の合金と考えられていましたが、これが古代では一般的な憶測となり、現在では銅をベースに真鍮や青銅、鉄などの他の金属と合金化したものを指すようになっています。

ギリシャやローマの世界では、銅と錫の合金が様々な金属の製造の基礎として使われていました。これらの金属合金は、もともとは青銅や金属加工にも使われていましたが、金属加工にも使われていました

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