「アルト・レイス。召喚魔術しか取り柄のない無能なお前は、我がギルドの職員としてふさわしくない――クビだ」
度重なるパワハラ会議の末、アルトは冒険者ギルドを追放された。
肩を落としながら自宅へ帰るとそこには、学生時代に競い合った三人の旧友。冒険者学院を卒業して以来、一年ぶりの再会だ。
「アルト、お誕生日おめでとう！」
「えっ、冒険者ギルドをクビになった……？」
「それならぜひ、うちのパーティに入っていただけませんか！？」
有名冒険者になった旧友たちは、『最強の召喚士』を自分のパーティへ引き込むため、必死のアピール合戦を繰り広げる。
アルトレイス”
“ふざけてるのか！”
“お前はまだ若いんだな”
二人の旧友は “知恵 “と “精霊 “と呼ばれ、前者は “知恵 “ギルドのメンバー、後者は “精霊 “ギルドのメンバーである。
二人とも召喚が得意。
二人は昔から最強の召喚師として知られています。
次の “知恵 “と “精霊 “を誰にするかを決めるために、二人の間でアピール合戦が行われる。
“狂ってる！”
アルトは “精霊 “ギルドに入ろうと考えていた。
その方がより強いモンスターを召喚することができるので、それを練習していたのだ。
しかし、”知恵 “ギルドに敗れ、パーティから追い出されてしまう。
アルトは逃げるしかなかった。
家も、家族も、自由さえも失った。荒れ地のど真ん中でテント暮らしをしている乞食だった。
絶望の淵に立たされたアルトは、ギルド “知恵 “に入ることで、絶望を打開するきっかけを見つけた