二葉くんと兄さん

二葉くんと兄さん

新しいアカウントを作らなければならないので、古いアカウントでやっています。

新しいアカウントを作らないと、ゲームが見つからなくなるんです。

途方に暮れています。

でも…

…そんなに悪くはないんです。

彼女の友達にも会えたし、簡単なゲームだし。

誰ともケンカしてないし、誰とも付き合わなかったし。

…昔の自分に戻れたような気がします。

“現実の世界 “に戻ろうと思う。新しい住処を探すよ、いいかい?”

“それはいい考えだ”

“あの、双葉ちゃん?”

私は双葉ちゃんに質問をしました。

“私の番でしょう?”

“はい……”

私は驚きました。

ちょっとだけ緊張しました。

でも、双葉ちゃんは素直にこう聞いてくれました。

“本当に家に帰りたいの?”

“はい、帰りたいです”

私はうなずいた。

胸が少し冷たくなった。

大きな重石を抱えたような気分です。

私はこの世界をどう思っているのだろう。

この世界には、双葉ちゃんが死んだこと以外にも、いろいろなことが起こっていると思うのです。

私が見たもの、彼女に起こったことを考えます。

自分の周りで何が起こっているのかを考えます。

そして、これからどう生きていくかを考える。

前に進んでいこうと思います。

私は前へ前へと進み始めた。

私の周りの世界が変わり始めたのです。

Photo by ell brown

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