息を吸って、吐いて。

息を吸って、吐いて。身体がきちんと動くように準備運動。…空気が冷たい。吐いた息が白く広がる。朝は辛い。身体の覆える所はできる限り覆って走り始める。得意な事も好きなことも無くて何となく始めた。健康のためには良いらしいけれど、日課になるまで続くようになったのは多分そういう事じゃない。無理のないペースで走っていると後ろの方から足音が聞こえる。少しずつ近づいてくる。はっ、はっ、という息遣い。まだ全然、余裕がありそうだ。横に並んだ所で声をかける。あくまで、今気づきましたよという感じで。「おはよう!今日も早いな!!」「ああ、次の大会までに鈍るといけないからな。」短い挨拶をかわし、ぽつぽつと他愛ない会話をしながら走る。段々とスピードを調整する相手の少し後ろを離れずに走る。いつもこの背中を見ている。後ろから追っている。ピンと伸びた、程よく筋肉がついた背中。走っても走っても下を向かない。まっすぐ前だけを見ている。そしてゴール前では、更に速くなる。ぐっと胸を前にだす。少し乱れた息遣いと、身体から伝う汗、達成感に満ちた笑顔が向けられる。「はあ……よしっ!今日の朝練終了だな。じゃあ、お先に」「お疲れ様。今日もバスケ部にお迎え?」「ああ。朝練後、僕が一緒に帰りたいだけなんだけどな。それじゃ。」照れながら、そう言うと彼は軽く汗を拭い部室へ向かう。その後、体育館で朝練を終えたバスケットボール部の一人と楽しそうに話しながら寮へ向かう彼を見かけた。相手はたしか、彼と同室の…。「仲良しさんだなあ」二人を見送ると、来た道を戻り、また走り始めた。

 が出ていて、かなり硬い。体幹はかなり強いものの、やはり少し弱い。なんだか申し訳なくなってきた。難しいことではないのだが、もっと頻繁にやってほしい。ゴールに到着したところで、私は彼の前で立ち止まる。私は彼のローブの襟を引っ張り、私の後ろに引きずり込む。最初はついてこられると気まずいのですが、二人で動き出すと慣れるものです。廊下の暖かい空気は爽やかで、私の足はゼリーのように感じられます。私は閉じたドアの前で立ち止まりました。警備員にここがどこかを聞こうとノックする。二人の警備員が慌てて出てきて、返事をします。彼らは心配そうに私を見ている。彼らは私に気づいていないようでした。「私たちはここにいます」と私は告げました。彼らは大きな目で私を見ている。”何?ここはどこなんだ?”お探しの場所は隣の部屋です。” “待てよ、3号室?” “そうです” 私は周りを見渡す。彼らは驚いた顔をしている。慣れていないわけではありません。でも、二人に見られていることがまだ信じられない。私は目の前のガードマンに向き直る。”ちょっと遅くなるから、何かあったら3号室に行ってね。” ありがとうございました。お礼を言ってから、私は彼と別れる。廊下を渡り、3号室に向かう。そこはフローリングの開放的な部屋だ。長い廊下だ。しばらく歩くと足が疲れてくるので、立ち止まる。私は帽子を取ろうと屈んだ。手が冷たい。私は帽子を頭に乗せるために立ち止まる。何かを思い出す。警備員の背中を見る。両足を広げて立っている。制服を着ていないので、警備員には見えない。私は近づいてみる。人の痕跡はない。私は同じフロアを歩いている。ベッドがある気配はない。窓がある。歩いていると目の前の道に街灯が光っているのが見える。ざっと点検してみる。街灯は壁には当たっていないようだ。手前に壁があったのだろうか。しばらく歩いてみるが、見当たらない。なぜそうするのか、よくわからない。背中が痛く、熱があるような気がする。下を向いてみる

Photo by Peter_fg03

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