数ヶ月ぶりにちけこさんの元へモミジが戻ってきました。モミジに会いたくて会いたくて夜毎枕を濡らしていたちけこさんは再会を喜びましたが、しばらくするとその表情が曇りました。「どうしたの？あんなに会いたがっていたモミジが帰ってきたというのにそんなに憂鬱な顔をして」親友のワドルさんが心配そうに声をかけると、ちけこさんは一層悲しい顔をして小さく首を振りました。「確かに彼がモミジなのは間違いないわ。でももう以前の彼ではないの。トーピード？炭酸ボム？そんなのちっともモミジらしくない。それにポチはどこ？モミジの心強い相棒だったはずよ」
紅葉はようやく千景子と会うことを承諾し、結局二人は座る場所を見つけ、紅葉は前日に千景子と同じ立場であったことを説明した。紅葉は千慶子に連れられて公園へ行き、さらに馬の像のある大きな丘へ行った。チケコは、「なぜ今日ここにいるのかわからない。死ぬかと思った。でも、生きているからいいや “と。そのとき、すぐそばの石のベンチに座っていた紅葉が、千景の手をとって泣き出した。そして、「あなたはとても美しい。私はあなたのことが大好きです。今までの人生がなかったら、私は自殺してたと思う” と言った。チケコは、”何があなたをそうさせたのですか？”と尋ねた。紅葉は「寂しくて、怖くて。でも、ポチが助けてくれた。生きたいって思ったの。ポチは私の人生を変えてくれた。それを知ってほしいんです”
紅葉、チケコ、魚雷の3人は、田中芳樹の漫画『チケコちゃんは語りたい』の主人公である。1958年8月12日、九州で生まれ、名古屋で育った。紅葉は千恵子にとって唯一の友達として特別な存在だった。漫画の中の紅葉の冒険に魅せられたチケコは、自分たちの物語を書くようになった。
この漫画は古典的な「少年時代」シリーズの一部であるが、3人のヒロインが登場するのはこれが初めてではない。1985年に田中が描いた「チッコちゃん! (というタイトルで、3人のヒロインの冒険が描かれた。1999年には、田中と川島芳樹による『チコちゃんのしずく』が発表され、同じ3人の仲間たちがそれぞれの人生を歩む姿が描かれた。
1998年には、田中の漫画を原作としたテレビアニメシリーズが全国で放映された。J.C.スタッフによって制作されたこのアニメシリーズは全12話で、アニメ業界の歴史において画期的な出来事とされている。このアニメシリーズは、放映当時、テレビアニメ史上7番目の長寿番組であった。
漫画は多くのアンソロジーに収録され、数々の賞を受賞しています。