「ではみなさんは、そういうふうに川だと云われたり、乳の流れたあと…

「ではみなさんは、そういうふうに川だと云われたり、乳の流れたあとだと云われたりしていたこのぼんやりと白いものがほんとうは何かご承知ですか。」先生は、黒板に吊つるした大きな黒い星座の図の、上から下へ白くけぶった銀河帯のようなところを指さしながら、みんなに問いをかけました。  カムパネルラが手をあげました。それから四五人手をあげました。ジョバンニも手をあげようとして、急いでそのままやめました。たしかにあれがみんな星だと、いつか雑誌で読んだのでしたが、このごろはジョバンニはまるで毎日教室でもねむく、本を読むひまも読む本もないので、なんだかどんなこともよくわからないという気持ちがするのでした。

“南十字星の星座から始めよう”
“そうだね。”
Kamppanellaが指差した。クラス全員が首を横に振って見ていました。
“Let’s start with the constellation of the Southern Cross.” (南十字星座から始めよう) 南十字星の星座。あれは南の星座で、太陽から地球までの距離が一番短い星座だ。その星座は、南十字星を表す暗い帯がある星座です。”
“その通り、その通り。”
“空ではその帯はとても明るいのですが、海ではその帯はとても暗いのです。”
“えっ、なんで?”
カムパネルラが指差した。クラスのみんなもうなずいた。
“最も可能性の高い説明は、太陽は非常に明るく、南の地平線では見えるが、海の上では南の地平線では見えないということだ

Photo by cseeman

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