雪の森の中。一冬かけて積もった雪が、草をすべて押しつぶしていた。いろい地面から細長い葉をもつ高い木々が生えている。
枝の隙間から見える空には。今にでもまた雪が降りだしそうな、どんよりとした低い雲が広がっている。太陽の光は弱い。
静かな場所だった。
森の中を転がる黒と赤と白の雪は、ただただ漂っていた。
生き残るために、怪物たちは退却していた。
怪物たちが退却している場所は、森の境目だった。
森の縁に沿って細い並木が生えていた。
倒木の森だった。
これが、魔物たちが退却している境目だった。
退却していた魔物たちは、命を落とした魔物たちだった。
怪物たちと退却していく生物たちは、この境界線に集まっていた。
怪物たちは、森の怪物たちを避けようとしていた。
森の生物を避けていた怪物たちは、命を落としていた。
森の中で迷っていた怪物たちは、森の向こう側に行こうとしていた。
反対側に行かないために、森の中で逃げているモンスターを避けようとしていた。
避けていたモンスターたちは、命を落としていた。
森の中で逃げているモンスターは命を落としていました