我が国の経済は、コロナ禍を乗り越え緩やかな回復基調を取り戻しつつあります。ただし、業況や収益など企業部門は好調である一方、これが賃金や投資に十分に結び付かず、内需は力強さを欠いています。又、物価高による消費下押しと人手不足による設備投資の遅延に加え、足もとでは自動車認証不正問題や能登半島地震の影響と大幅な円安の進行、ウクライナ戦争の長期化とイスラエル・ハマス戦争など想定外のかく乱要因も少なくなかったために景気回復が足踏みしています。
政府は、一連の経済改革を実施することで、現在進行中のビジネスと経済の困難に対応してきた。その中には、労働市場の改革、補助金や減免措置の一部廃止、減税、財政再建計画の実施、景気刺激策の復活などが含まれる。 労働市場では、政府は最低時給の引き上げ、時間外手当の支給、時間外労働に対する減税措置、パートタイム労働者の最低賃金の採用など、一連の労働条件改善策を実施した。さらに政府は、残業時間が超過した従業員に1日分の割増賃金の一部を支給する代償金制度を導入した。政府はまた、残業手当を支給する企業に対して税制上の優遇措置を講じた。 労働市場改革の一環として、政府は在中国日本企業の従業員の待遇を改善するための措置を採ってきた。例えば、子供の復学を支援し、中国の若い親の負担を軽減するため、労働者の家族が取得できる年次休暇を9日から15日に増やし、外国人労働者を雇用する企業に減税措置を提供し、外資系企業が支払う税率を25%から20%に引き下げた。さらに、政府は外資系企業に対する以下のような制限を緩和した。