俺は時原末代。

俺は時原末代。職業はヴァンパイアハンターだ。銀でできたワイヤーと、サンザシの杭でヴァンパイア相手に戦う仕事。正直愛猫のクロの人狼に変化する力が無ければ厳しい相手もいる。ただ、今回の相手が非常に厄介。ヴァンパイアとサキュバスのハーフ。魅了耐性があるとはいえ、流石にきつい。「私があなたを気持ち良くしてあげるわ。」そう言ってまた投げキスをしてきた。もう何回目だと思いつつサッと回避する。「そろそろ決めないとキツイな…」と、ボヤきつつ瓶を割ってサンザシの杭を取り出して(サンザシの杭はものを小型化する魔力を持った瓶に入っている)サンザシの杭を敵の胸に突き立てる。

“あ、ああ、それだ”。私は痛みを感じながら言った。 “もう何度も言われてるけど、世界で一番強い人は、世界で一番強い人には勝てないんだよ” 彼女はボトルをしまうと、その場で振り返りながら言った。 “世界で一番強い人?” “そうよ、彼らには勝てないわ” “それってつまり、世界で一番強い人は、弱点がない一番強い人だっていうのと同じこと?” 私が尋ねると、彼女はうなずいた。 “その通り。私は世界最強のヴァンパイア・ハンターを殺しに来たのよ” “待って、待って” 私は感情を抑えながら言った。 “怖がれと言っているのではない。私は怖い人間じゃない。できるだけ落ち着いていてほしいだけです」。 “私は怖がるべきだと思う” “そうすべきです。今、世界で一番強い人なんだから。私の名前を知らなくても驚かない。自分のプライドがあるから顔を出したくない。痛い思いはさせたくない」。 “いいえ” 私は深呼吸しながら言った。「あなたが怖い人でないことは知っている。末代ちゃんは面白い女性だよ」。それで、彼女の名前は? “よしこさん” “えっ、名前なんて知らないよ” 私は驚いた顔で言った。 「それは君が彼女の名前を知らないからだよ。名前を知れば、彼女のことがわかるはずです

Photo by cseeman

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