吾輩は猫である。

吾輩は猫である。名前はまだない。そんな吾輩は今、ある事情から行き倒れ寸前である。「むにゃぁ……」もうダメっぽい。生まれてこの方、こんなに空腹を覚えたことはなかった。それもこれもすべては、吾輩に名前をつけるのを面倒くさがった飼い主の責任だ。ちなみに飼い主の名前はオス三毛というらしい。「はぁ……吾輩にもしっぽがあればなぁ……」そんなくだらないことをつぶやきながら、吾輩は道を歩き続けるのであった。******「……うん?」ふと気づくと、目の前に大きな建物がなかった。「むにゃぁ……」そういえば吾輩、さっきまで歩いていた道すら見失っている。「これは困った」腹は減りすぎてもう鳴く元気すらない。「……おや?」それでも何か無いかとあたりを見渡していたら、ふと気になるものを見つけた。「これは……木か?」そう思って目をこすりながらその木を見たらリンごが16個ほどぶら下がっていた「むむ、これはすごい」こんなにリンゴが木になっているなんて吾輩も知らなかった。「これはいい事を知った」とりあえずお腹が空いていたのでその木の実を齧ってみる。「んにゃぁ!!」その木の実は酸っぱかった。でも味は悪くないし、何より空腹だったので全部食べてしまった。「ふぅ……少し落ち着いた」そんな満足げな顔であたりを見渡すと、またリンごが16個ほどぶら下がっていた。******「……

食べたくなっちゃった!」。私はリンゴを齧り続けた。私は口を開けて、店主にもっとリンゴはないのかと尋ねようとしたが、あることに気づいた。店主が変な顔をして私を見つめているのだ。私が何か聞きたそうにしているのを見ると、すぐに目をそらした。私はあまりの衝撃に吐きそうになった。ようやく嘔吐を止めることができたときには、口の中にリンゴが6個ほど入っていた。私は突然、ひどく疲れを感じた。なぜあの男はあんなにたくさんのリンゴを持っていたのだろう?何を食べさせられたのだろう?オーナーは服を着替え、靴を履きに行っていた。戻ってきた私に、「あの果物は何だったんだ?何か食べたか?「いや、あれはスイカを食べただけだよ。君が欲しいのはその果物かい?「はい、見ています」。私はリンゴを見た。その色は淡い黄色だった。「さっき食べたやつ、おいしかったよ」。「本当に?腹ペコなんだ!よく食べ続けられるわね」。”え、それってスイカでしょ?” 「スイカはおいしいよ。でも、そのスイカはどこで手に入れたの?この国ではとても珍しい果物ですよ」。「ああ、街で買ったんだ。買ってから処分しました」と私は答えた。「そうですか。私から買ったのではないのですね。その果物は、近いうちにお返ししなければなりませんね」とオーナーはため息をついた。私は少し安心し始めた

Photo by amslerPIX

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