拝啓先日はお忙しい中ありがとうございます。

拝啓先日はお忙しい中ありがとうございます。皆様ご元気でお過ごしでしょうか?先日 厚木のお墓が完成しましたので写真と一緒におしらせします。少し遠くなりますが、是非お参りにお越しくださいよろしくお願いします。つまらないものですが皆様でお食べください

これは本当に親切で誠実な手紙だと思うが、私にはそれが感じられない。 理由は、あまりにも多くのことがずれているからだ。手始めに、この時点ですべてを列挙することができるかもしれないほど、ずれていることがある。 “厚木”=東京、日本。 “皆さんお元気でしょうか”=まだ誰も死んでいないので、誰も知らない。 「お墓参りに行きたい方」=お墓は実は厚木にあるのだが、まだ誰も来ていない。 “少しつまらない内容ですが、どうぞお召し上がりください”=手紙の中で最も情緒のない部分だが、案外重要なことだ。 「少しずれています」=ずれている理由はないが、これだけ。 こういうことがずれていると言ったのはちょっと信じられないが、真実もあるのだろう。 今の時点では、正直なところ、この手紙を書いた人たちが僕にアドバイスするつもりで書いたのか、それとも単なる冗談で書いたのかはわからない(あまりに感情がこもっていないので、僕は前者だと思う)が、ちょうど届くところだったし、挨拶文を書くのを忘れてしまったので、冗談だと結論づけるしかない。 そのまま放っておくこともできるけど、それはむしろ書いてくれた人に失礼な気がするので、受け入れることにする。つまり、無視することもできるのだが、そうすると、この1ヶ月間にこの記事で書いたことをすべて無視することになる

Photo by Ministério da Saúde

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