ある現象について研究するということは、その現象を観察し、記述し、…

ある現象について研究するということは、その現象を観察し、記述し、説明しようとすることである。学問によって違うのは、現象を観察し、記述し、説明するための、概念(用語)や理論である。 この授業の狙いは、「日常生活」という身近な現象を素材にして、それに社会学的にアプローチすることによって、社会学的にものを見るというのはどういうことかを理解してもらうことである。日常生活は「同じよなことの繰り返し」である。それ は日常生活に構造が存在するからである。・ ここでいう構造とは、現象を構成する諸要素(諸要 因)の間に存在する一定の関係性のこと。・ そうした構造は直接目で見ることはできないが、現 象の観察からその存在が推測されるもので、言葉 や記号や数式で表現される。

日常生活は真空の中に存在するわけではない。要素間の関係の例として、一方では「エネルギーの高い人」と「エネルギーの低い人」、他方では「平均的な人」と「エネルギーの高い人」の関係を考えてみよう。平均的な人とは、エネルギーが高い人よりはエネルギーが高いが、エネルギーが低い人よりはエネルギーが低い人である。2人が “座って “交流すると、”エネルギーの高い人 “は “波風を立てる “ことができ、”エネルギーの低い人 “に影響を与える。エネルギーの高い人が怒っていれば、エネルギーの低い人もそれなりの反応を示すだろう。逆に、エネルギーの高い人の感情が、エネルギーの低い人にある種の反応を起こさせるほど強くなければ、一般人の反応は異なるかもしれない。 日常生活は同じことの繰り返しであると同時に、一定の構造を持っている。現象を構成する同じ要素(私が「要因」と呼ぶもの)が何度も繰り返される。同じ「プロセス」が何度も繰り返される。 この意味で、日常生活は繰り返しのプロセスではあるが、自動的なものではない。ある活動について考えているとしたら、それは実際に熟考しているのであり、その活動に何らかの関心があるから考えているのである。一日のうちで最も便利な活動だから考えている、というわけではない。

Photo by Comité Nacional de Participación

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