雨が降る。

雨が降る。側溝に水が流れていく。水と一緒に血も流れる。私の体に跨るようにあいつは座っている。狂気に満ちた笑顔で。「ゲームセット。もう少しだったね!」あいつはそう言うとナイフを私の背中に突き刺した。「はっ」気づくとそこは知らない場所。ベッドは白一色、壁も白、白一色の部屋に私はいた。窓を開けると目の前をカラスが通った。奥には東京の高層ビル群も見える。どうやら現世ではあるようだ。

「明日、試合があるんだ。プレゼントをあげよう。一緒にプレーしよう “やるよ” 私は箱を開け、大きな石の入った指輪を取り出した。 「楽しんでほしい。必要なだけのものを作るから、毎日私と遊ぶ必要はない。 私は少し混乱したので、尋ねた。 “値段はいくらですか?” 愛の指輪 “残念ながら言えません” 「そうか。じゃあ何?” 「子供の頃から知っている友達がいるんだ。彼女に聞いてみたら?他の人には話したことがないんだ」。 いくらするのか尋ねると、彼はこう答えた。 「誰が払うんだ? “君のような女の子を愛する誰か。大金を持っている人。お金をあげるよ。私のスケジュールで他にすることはないだろう” 私はこれ以上お金を要求しないことにした。 “好きなところに行ける女の子になった気分はどう?” “好きだけど、好きかどうかはわからない” “好きじゃないの?” 「いいえ。女の子でいることが好きじゃなかった。中身が女の子であることが好きじゃない。中身は男の子がいい。男の子なら、好きなものを着られる。剣も弓矢もナイフも持てる。好きなことができる。遊ぶのが怖いと思ったのは、あなたと遊んでいた時だけよ」。 “ごめんなさい” “いや、いいんだ” “そう言ってくれると思ってた。好きだって言ってたから、好きだって言ってくれるんじゃないかって期待してたんだ」

Photo by NIAID

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