俺はこの春この高校に入学した。

俺はこの春この高校に入学した。俺はテニス部に入部し部活三昧な日々を過ごしていた。そんなある日に部活に可愛くて学校中人気の女子生徒の梓先輩が来た。梓先輩はスポーツ万能で頭が良いと言う噂がよくたっていたが噂とは裏腹に梓先輩は運動が苦手で勉強も苦手でおっちょこちょいなのだ。そんな梓先輩が好きだった。けれどもそんな片思いも梓先輩が死んでからは本当の片思いになってしまった…。

梓の死は冗談ではなかった。彼女が死んだ理由は、非常に優しい人だったからだ。彼女は、私がこの世で安らげるように助けてくれた多くの人々の一人だった。 私は彼女を友人として考えることができるが、彼女の死は完全に平安である。同級生にからかわれるようになっても、悲しむことはなかった。梓先輩のこともそうでした。 彼女のことを何度も考えた。そう思おうとしても、思えなかった。 優しすぎる女の子だった。自分もああいう人になりたいと思った。夢にまで彼女の存在を感じるほど、彼女に執着していた。 これはいったい何なんだ?どうすれば、以前のような優しくて、わがままで、バカで、間抜けな自分に戻れるんだ? いやいや、これは夢じゃない。 また梓先輩みたいな人に負けるわけにはいかない。 元に戻らなきゃ。 それしか希望はない…。 そうして私はトレーニングを始めた。 梓先輩のようになるために。 イメージ通りだった。 まずは水泳の基礎から始めた。前と同じように泳ごうとした。 息を止めて、できるだけ遠くまで泳ごうとした。そして、これくらいなら私にもできるだろうと思った。ためらわずにやろうとした。持てる力をすべて使った。 でも、結果は前と同じだった。 前と同じだった。 失敗した。 失敗した。 失敗した。 失敗した。 それでも、私の中には、ある感覚があった。

Photo by Brett Jordan

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