中学1年生のときに私は、祖母をなくした。

中学1年生のときに私は、祖母をなくした。共働きだった両親にかわって、私や妹の幼稚園のお迎えや買い物に連れていってもらうなど小さい頃から面倒を見てもらっていた。体調が優れなくなり、施設に入所してからも定期的に会い元気な姿を見ていたが突然、祖母が亡くなってしまった。

私が小学3年生のとき、叔母が私と妹を連れて施設に面会に行った。叔母は、私はおばあちゃんに会うことはできないけれど、おばあちゃんとの約束は守らなければならないと言った。私は毎週会いに行くと約束した。 朝、私たちはバスで施設に向かった。施設に着くと、警備員はすぐに私たちが外国人だと気づいた。ちょっとショックだった。警備員たちは、私たちがどこから来たのか、どこへ向かっているのかと尋ねた。私は祖母が誰なのかを告げた。警備員は私に伝票を渡し、祖母の部屋に行くように言った。 祖母の部屋に着くと、私は叔母と妹と一緒の部屋に入れられた。看守は私たちのことなど気にも留めず、国籍すら聞かなかった。祖母は生前から電話番号を教えてくれていた。看守は私たちに仕事のことや家族のことを聞いてきたけど、それだけだった。聞かれたのはそれだけ。 私たちはクッションも何もない床に一列に並んで座るように言われました。祖母はベッドに横たわっていた。叔母と妹はその前の床に座っていた。祖母は私たちに、私たちは誰なのか、何をしているのかと尋ね続けました。祖母は私たちに、私たちは誰なのか、何をしているのか、ひたすら訊き続けた。祖母は少しも起き上がろうとしなかった。まったく動こうとしなかった。 祖父と祖母はどこにいるのかと尋ねると、叔母と妹はドアを指さした。

Photo by WaStateGov

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