突き刺す様な日差しがアスファルトを熱くする。

突き刺す様な日差しがアスファルトを熱くする。目眩してしまいそうな熱気によって手に持っているソーダのアイスも汗をかいてしまっている。一気に口に放り込み、錆びた信号機を無視して自転車を漕ぐ。わたあめのように分厚い雲も、澄んだ青色をした空も、嫌いになり切れず、毎年待ち遠しさすら感じる。

家を出るときは上機嫌で、警察にも気づかなかった。家にいるときはいつも学業と仕事で忙しく、授業と宿題以外のことを気にする暇はない。携帯電話のバイブレーションが鳴っても、走っている道さえわからない。 「ベサニー?ベサニー?ベサニー?ベサニー ベサニー!ベサニー!」 私は携帯の着信音を無視して振り向いた。歩道に立つ母が微笑んでいる。「ハイ、ベサニー!今日は楽しかったわ!」 「ママ、ただいま!ちょうど遊び場にいたのよ!」 母は笑う。「あら、学校にはお友達がいっぱいね。楽しかったんだから、もっと早く来ればよかったのに。公園に連れて行ってあげたいわ」。 なぜだかわからないが、断れないような気がする。母は私の親友の一人だ。高校に入りたての頃、いつも食事やショッピングモールに連れて行ってくれた。私の母性本能をよそに、私の趣味や興味をいつも応援してくれている。 「そうか。じゃあ、もう行くわ。じゃ、またね!」 私は肩越しに叫んだ。私は自転車を走らせながら家路につく。 でもまだ家じゃない。通りを曲がると、見覚えのある建物が見えた。おそらく母と私が一緒に通っていたのと同じ建物だろう。廃墟のような廃ビルだ。地面はゴミだらけ。 「ママ? ベサニー?」 振り返ると、母がこちらに向かって歩いてくるのが見えた

Photo by cseeman

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