突き刺す様な日差しがアスファルトを熱くする。

突き刺す様な日差しがアスファルトを熱くする。目眩してしまいそうな熱気によって手に持っているソーダのアイスも汗をかいてしまっている。一気に口に放り込み、錆びた信号機を無視して自転車を漕ぐ。わたあめのように分厚い雲も、澄んだ青色をした空も、嫌いになり切れず、毎年待ち遠しさすら感じる。

ようやく丘の頂上にたどり着いたとき、私の心臓はバクバクし、汗だくになっていた。丘を見下ろすと、アスファルトに映った自分の姿が鏡のように見えた。私は深く呼吸し、リラックスしようとするが、膝の痛みは加速している。手足が震え、もう景色に集中できない。膝の痛みはさらにひどくなり、やがて背中を痛めるだろう。もう止められない。 街を走っている。自転車を運転しているのに、そんな気がしない。心臓の鼓動は速く、一歩踏み出すたびに胸に痛みの波が走る。汗が背中を伝っていくのがわかる。膝が痛くなってきて、座りたい。でも、そうするつもりはない。膝は痛いが、走るのをやめるつもりはない。 突然、私は通りを歩く女の子を見た。黒いセーターに黒いジーンズ。ジャケットの上に黒いカーディガンを羽織り、髪は後ろでポニーテールにしている。イヤリングとネックレスをつけている。彼女はカフェの方向に歩いている。雨が降っていて、黒いレインコートを着ている。両手を頭の後ろに回して歩いているが、まったく不快そうではない。彼女はとても魅力的で、とても痩せている。彼女をよく見ているのは、母と父だけだ。 もう自転車は止められない。 家に着いても膝が痛い。自転車をやめられない

Photo by HawkeyeUK

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