昔々あるところに

昔々あるところに

私は男だ、いつも飢えている男だ。 私は男であり、死にかけたものに何の関心も示さない男である。 私は男だ、決して満足しない男だ。 私は男だ、甘い匂い、女の匂いを愛する男だ。 私は男、どこまでも同じ世界に生きる男。 私は男だ、決して他人を敵に回さない男だ。 私は男、戦う必要を感じない男。 私は男であり、戦う者のいない平和というものを愛する男である。 私は男だ。全力を尽くしたくないという気持ちも、受けたくないという気持ちも知っている男だ。 私は男であり、未来のアイデアを愛する男である。 私は男であり、年を取りたくない、孤独に死にたくない、子供の目で見られたくないという考えを愛する男である。 私は男だ。やることがひとつもない男になることを愛する男だ。 私は男だ。何不自由なく男でいることを愛する男だ。 私は男だ、何もすることのない世界を愛する男だ。 私は男だ。世界で孤独ではないという考えを愛する男だ。 私は男だ、何もすることがないことを愛する男だ。 私は男だ。

Photo by Asamblea Nacional del Ecuador

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