私は知っている。別れを告げなくてはならないと

私は知っている。別れを告げなくてはならないと

「決めた……また来るよ……」。 「楽しみにしています。では、お任せします」。 レラはそう言って電話を切った。もっと何か言うつもりだったようだが、先にトイレに行きたかったようだ。 「レラ……」。 「何も言わないで」。 「レラ、何も言わないよ。また来るから、もう少しここにいて」。 「……わかった」。 「レラ、ちょっと待って」。 「オーケー」。 「では、また来ます。お茶を入れるわ」。 「……わかった」。 「一緒に寝ましょう」。 「オーケー」。 「……」 「N?」 これからトイレに行く」「……」。 「……」 レラの顔は本当に青ざめていた。 彼女はほとんど知らない男と一夜を過ごそうとしていた。知っている人と愛し合うつもりだったが、誰と愛し合うつもりだったのだろう?それは自分自身に問いかけるべき重要な質問だったが、どう問いかけたらいいのか、彼女には見当もつかなかった。 そして翌日。 「レラ」。 「どうしたの? 「私があなたを愛していると思いますか? 「……そういうことなら」。 「それは違う」。 「……どういう意味かよくわからない」。 「私はあなたが私を愛してくれていることが嬉しいの。そうでしょう? 「そうだよ。どういうことなのかよくわからない」。 「好きっていう気持ち。そんな感じ」。 「……わかるような気がする」。 「何が? 「あなたが私の……『愛している』と言ってほしい」。 え? レラはすっかり驚いてしまった

Photo by Joanbrebo

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