むかしむかしあるところにおじいさんとおばあさんがいました。2人はいなかの山奥で静かにのんびり暮らしていました。あるあらしの夜、トントン、と戸を鳴らす音がしました。嵐なので聴き間違えかと思い無視しているとまた時間を置いてトントンと戸を叩く音が聞こえました。
“何も心配することはありません。”と老人は言いました。”ドンドンという音が聞こえた気がするのですが、他のドアベルと同じように聞き間違いだと思います。”
“そうですか、確かですか?”と老婆は尋ねた。
“まあ、あなたのように聞こえたんですけどね “と老人は言いました。
“じゃあ、間違いないわね” と老婆は言った。
二人がドアを開けると、そこには真っ黒な服を着て部屋の真ん中に立ち、眉間から小さな角が2本生えていました。風がその角を通り抜け、オゾンのような匂いがした。
“お友達へのメッセージはありますか?”と老婆が尋ねた。
“いや、特にないよ “と老人は言った。”嵐が来そうだから そろそろ帰った方がいいと思うんだ”
“家の鍵を持っていないか 見てみよう “と老婆は言った
“そうだな、もし持っていなかったら、帰ればいいんじゃないかな” と老人は言った。「迷子にならないように、ここから出よう」。
二人は出ようとしたが、ドアには鍵がかかっていた。鍵を取ろうとしたが、鍵は鍵穴に入っていなかった