匿名調査員の確かな舌とミシュラン基準をクリアし、見事獲得したミシュラン星は絶大な信用を得られると評判です。今回はその評価基準に秘められた正体を紐解いき、時代に応じて進化し続けるミシュランの星を獲得したシェフをご紹介します。
ミシュラン調査員の正体は極秘！
匿名調査員は、全員が特殊訓練を受けたミシュランの社員です。ごく普通の一般人に紛れ世界中で食べ歩きをしています。フルタイムの仕事として一週間に１０食以上も調査をするという予想以上にハードなお仕事です。
調査員になるには、5～10年ホテルやレストラン業界を経験し、数か月間フランスで世界統一の評価基準で調査・評価できるよう厳しいトレーニングを受けるそうです。その後は先輩調査員の指導のもとで経験を積みます。特殊訓練を乗りこえた限られた人だけが、ミシュランの調査員になれるのです。
そして、身近な家族だけがその職業を知り、友人には職業を偽っているそうです。そこまでこだわったミシュラン調査員のお仕事だからこそ、その評価基準も厳しくなるのは当然かもしれません。
ミシュランの研究者は、セレブシェフでもなければ、セレブシェフ研究者でもない。有名なシェフでもなければ、有名な料理人でもない。彼らは、世界中のレストランやホテルで働き、高度な資格と経験を持つミシュラン・リサーチャーとして、その専門性を認められた男性または女性にすぎない。
ミシュランは、食品の審査・評価に特化した会社です。食品の審査・評価に特化しているのは、食品業界の仕組みが他の業界とは違うからです。食品業界の仕組みは、そこにある他のどの業界とも違っています。
ミシュランの星は、料理の品質に対して与えられるもので、料理を提供するレストランやホテルの品質に対して与えられるものではありません。評価には3つの要素があります。1つ目はレストランのスタッフ、2つ目はシェフ、そして3つ目は料理です。
まず、ミシュランのインスペクターは、数週間かけてレストランを巡回します。