「白人はしょっぱいの」じゅうじゅう、肉が焦げる音に掻き消されそう…

「白人はしょっぱいの」
 じゅうじゅう、肉が焦げる音に掻き消されそうになり、彼女は少しがなるみたいに言う。
「で、日本人が一番おいしいんだって」
 食人族曰く、と付け足して、小さな炭のようになったカルビを目を細め頬張る。
「肉食べながら話すこと?」
「そういうの気にするタイプだっけ?」
「ううん。別に」
 良い感じに焼けた薄いタンをタレにつけ、ご飯の上に乗っける。甘じょっぱい匂いがして、飴色に白米は染まっていく。別に複雑な風味もない。肉とタレの味の、単純においしい肉だった。
「でも、なんでだろ。日本人チビだから、食べるとこあんまなさそうじゃん」
「小さいからこそ希少価値が高くなるんでしょう。それか、出汁でも出るんじゃない? わかめ食べるのって日本だけらしいし」
「ふーん」
 とろっとした不定形のホルモンを網に乗せれば、炎はふいに高く上がる。きゃあ、と嬉しそうな声を出して、彼女は箸を持ったまま、強引に手を叩く。白い制服の胸元に、箸から飛んだ、辛口タレの赤みがかった茶色の飛沫がちらちらと付着する。
「キャンプファイアーみたい」
「アンナ、タレ飛んでる。制服汚れてるよ」
 アンナは目を見開いて、服を見る。さっきまでの楽しげな様子から急降下。不機嫌なため息をつき、最悪、と呟く。

そして私はお腹いっぱい食べる。
 
 
 
 お腹が空いたのか空いてないのかよくわからない。あまり食べていません。
ちょっと不思議な感じがします。なぜ島に日本人がいるのか。
私の両親は、日本人に初めて会ったのは小学校の時に訪れた時だけだと言う。でも、理由はわからないそうです。
この国に住んでいる日本人には理由があるのでしょうか?
この国で働いている日本人には理由があるのだろうか。
アメリカに住んでいる日本人には理由があるのだろうか?
日本にいる日本人には理由があるのだろうか?
これらの質問について考えてみると、日本人が少しかわいそうに思えてきました。
日本人はとても小さくて、長くは住んでいないようです。私と日本人の間には、それほど大きな違いはありません。
私たちが来る前に日本に住んでいた日本人は、みんなもう少し大きかった。
それが少し寂しい気がします。
そろそろ夕食を作らなければなりません。
考える時間はあります。
日本人はとても小さい。
だからこそ、失礼のないようにしなければなりません

Photo by formulanone

この作品の出来はいかがでしたでしょうか。ご判定を投票いただくと幸いです。
 
- 投票結果 -
よい
わるい
お気軽にコメント残して頂ければ、うれしいです。