視点人物瀬尾くんみんなには伝わるだろうか、セミが背中に付いている…

視点人物 瀬尾くんみんなには伝わるだろうか、セミが背中に付いている感覚を、僕は考えたくもない。 四時間目のロングホームルーム、僕は三時間目の体育で貧血になってしまったので保健室によってから教室に行くことになった。もう授業は始まっているから、遅れて教室に戻った僕は当然みんなの視線を浴びることになるだろう、憂鬱だ。「だから体育は嫌いなんだ。」僕はそうぼさっと呟き、なるべくゆっくりと教室に向かっていると前に黒岩先生が立っていた。おそらく僕の様子を確認してからクラスに行くところだったのだろう。「もう体調は大丈夫なのか?」「はい。大体大丈夫になりました。」「そうか、無理するなよ」「ありがとうございます。」 短い会話を終えたあと、そそくさと教室に入っていった黒岩先生につづけて僕も後ろのドアを開け、窓際の後ろから二番目の席に座った。「うお。」そんな声が僕のすぐ後ろの席から聞こえた。僕の後ろの席は鳥野くんという男子生徒で、僕はあまり交友がないけれど、みんなが鳥野くんのことをメッセージなどでトリノと書いているから、僕も真似して心のなかだけトリノくんと呼んでいる。

ㅜ、私の後ろにいたのは私のボーイフレンドではなかった。隣の席は昨日私の隣に座った女の子だったけど、何かに気を取られてここに座るのを忘れたみたい。三番目の席は私のボーイフレンド。右隣の席は、この3年間とても仲良くしていた人で、このところずっと別れそうになっていたんだけど、戻ってきたからまた私のところに来てくれたんだ。でも、彼は私をクラブに誘うために来たのだから、私は彼の隣に座るしかない。なるほど、昨日入部を希望した理由を思い出した。この席に座ったとき、女の子のような声で 「次の生徒会長になるんでしょ?」と言われた。彼は緊張し始め、”いえいえ、そんなんじゃないんです。僕はただ、君と友達になりたいだけなんだ」。私は眉をひそめて彼を見た。「そんなつもりじゃなかったんだ。ただあなたに会いたかっただけです」 「そっか、わかったよ。部活を手伝うよ」 「ああ、ありがとう。ご親切に」 仲良くなるのにそう時間はかからなかったが、彼は生徒会長だから好きなことができる。生徒会の一員でありながら、あまり変なことはしないので、私が一人で面倒を見ていました。彼が美術部に行くと言ったときは、本当にびっくりしました

Photo by Bill Ward’s Brickpile

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