「お困りのようだねぇ」 高すぎず低すぎず、穏やかではあるが時に含みをもたせるようにも聞こえる声音。その声を聞くと、安心するようになったのはいつの頃からか。本人には気恥ずかしさが勝り伝えたことはないけれど。 届け屋である大也にとって、調達屋である玄蕃は頼りになるビジネスパートナーだった。自身の夢にとっても、その腕を貸してほしいと願うほどに。玄蕃の助けがあれば、俺は、俺達はさらに加速できる。そう思って何度も勧誘したが、今のところ全敗。
「配達人 」の大矢にとって、「調達人 」の玄蕃は信頼できるビジネス・パートナーだ。自分の夢のために、玄葉に技術を貸してほしい」とまで言う。玄蕃の力があれば、僕は、僕たちは、もっと加速できる。そんな思いから、何度も勧誘を試みたが、今のところ全敗。大也は、なぜかいつも一番言いたいことをズバズバ言う。彼の言葉はナイフのように鋭い。彼は欲しいものを手に入れる天性の能力を持っている。だから彼は私を納得させることができた。私は、大也が私の神経を逆なでするのではないかと恐れていた。でも今は、彼の言葉はこれまで以上に重要だと感じている。僕たちは小さなチームだけど、力を合わせれば大きなことができる