冬も終わり、暖かな春が到来した。

  冬も終わり、暖かな春が到来した。今日から息子は大学生。入学式会場へ一緒に向かう。新しい生活に胸を踊らし希望に満ちて歩くスーツ姿の息子を会場で見送る。いつの間にか頼もしくなった後ろ姿に「いってらっしゃい」と声をかける。息子は振り返り「いってきます」と笑顔になって返してきた。息子と別れ入学式の会場へ入り入学式開催を待つ間、息子の高校時代を思い出す。 息子の高校生活はコロナ禍の最中にあり、様々な行事などが自粛や規制の下に縮小されたりしてきた。その中でも高校生活を楽しみ、勉強や部活を頑張ってきた。時には提出課題が終わらず夜中まで掛かり、寝不足で登校する時もあった。部活動では部長として後輩を引っ張り、部をまとめてきた。体調不良の時も休まず、遅刻してでも登校する事もあった。授業に遅れるのが嫌なのと部長としての責任があったと思う。 3年になり部活も引退し、受験勉強が本格化してきた時に模擬試験の志望大学欄には大学名は違えど常に医学部があった。息子は医療に興味があり医学を学んで医師になりたいと言った。しかし、医学部を目指すには今の学力を更に上げなければならなかった。まずは苦手科目の克服と基礎固めをしてそこから応用力をつける為に勉強に打ち込んできた。 

勉強で疲れていても、夜中まで寝ていた。学校生活は本当に荒れていた。高校生活最後の日、優等生だった彼は優等生たちと部活に参加した。その日は、生徒たちが優等生会のメンバーをどうするか話し合っていて、雰囲気に緊張感が漂っていた。私は息子を見て、「あの先輩の仕打ちは信じられない。彼は先輩たちにとても意地悪だった。息子は名誉会のメンバーではなかったので、その時の話し合いには参加していなかった。その日が息子と会った最後でした。私は息子を失ったと感じています。息子は同世代で初めて大学に行き、この国で大人になり、ずっと私の息子でした。でも、もう二度と彼に会えないような、そんな気がする。いつかまた彼に会えるという希望を捨てたことはない。入学式で彼の大学の一員になる姿を見たい。でも、それが叶わないことも怖い。もう息子に会えないんじゃないかと。まるで誰かが私の息子を連れ去ってしまったかのようで、もう取り戻すことはできない。もう二度と息子の顔を見ることはできない。これが現実だなんて信じられない。自分の生きている世界が信じられない。もう二度と息子に会えないなんて

Photo by Josh Rokman – AI Images

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