雨が降る。

雨が降る。側溝に水が流れていく。水と一緒に血も流れる。私の体に跨るようにあいつは座っている。狂気に満ちた笑顔で。「ゲームセット。もう少しだったね!」あいつはそう言うとナイフを私の背中に突き刺した。「はっ」気づくとそこは知らない場所。ベッドは白一色、壁も白、白一色の部屋に私はいた。窓を開けると目の前をカラスが通った。奥には東京の高層ビル群も見える。どうやら現世ではあるようだ。

翌日、私たちは精神科医に会いに行った。白髪の年配の男性だった。私は彼に出身を尋ねた。彼はアフリカ出身で医者だと言った。彼は私に目を開けるように言い、私の額に手を置いた。私は目を開けた。同じ病室が見えた。同じ白い壁、同じ年老いた医者。彼は医者で、白人で、アフリカから来たと言った。私たちは部屋から出ようとしたが、ドアは外から鍵がかかっていた。そこで私たちはホールに入り、カーテンと壁の後ろに隠れた。出てみると、部屋には誰もいなかった。 彼はバスルームに入り、私は彼の後を追った。ドアに鍵がかかっていたので、何度バスルームに入ったかわからない。医者がバスルームから出てきて、私の額に手を置いた。私は目を開けた。浴室には誰もいなかった。医師はバスルームに戻り、私の額に手を当てた。私は目を開けた。同じ病室が見えた。同じ白い壁、同じ年老いた医師。彼は医者で、白人で、アフリカ出身だと言った。 私たちがバスルームから出てくると、キッチンから犬が出てきた。彼は医者の手を舐めた。医者はそこを離れろと言った。犬が台所から出てきて医者の手を舐めた。医者はその場から立ち去るように言った。犬が台所から出て来て、医者の手を舐めた

Photo by joepiette2

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